広告費を無駄にしない、母集団形成から見直す採用活動の基本

こんにちは。茨城県を中心にWEBマーケティングをサポートしている日宣パートナーズです。

近年、茨城県をはじめ多くの地域で「売り手市場」が続き、企業の採用活動がますます難しくなっています。「何か対策を打ちたい」という企業のニーズに応えるかのように、求人広告やリファラル採用、採用エージェントなど、採用手法の多様化が進んでいます。

しかし、選択肢が増える一方で、どの手法を選べばよいのか迷ってしまうことも多いのではないでしょうか。

そこで、今回のブログでは、「母集団形成」を中心に、採用手法の最適化を図るための分析方法について解説します。採用担当者様が数値的根拠をもとに自社の採用戦略を見直し、上司や経営層に効果的な改善提案ができるようになるためのヒントを提供します。

目次

採用難の現状と未来。企業が直面する課題とは?

人材不足や採用の難しさについては、ニュースや新聞などで連日報じられています。ビジネスパーソンなら誰もが認識している課題ですが、立場や役割、持っている情報量によって、危機感や感じ方に個人差があります。

また、採用活動の根幹を成す計画や予算も、認識が異なる人々が集まると大きく変わることがあります。効果的な意思決定を行うためには、課題への意識レベルを統一することが重要です。全員が同じ土台に立つことで、チームや会社全体が共通の目標に向かって協力し、成果が上げやすくなります。

以下に、採用難易度が高まる主な理由を挙げました。まずは、課題の詳細を確認しましょう。採用活動において、経営資源を効果的に配分する際の参考にしてください。

少子高齢化と人口減少

日本の人口は2050年には9,515万人に減少し、現在の人口から約3,300万人(約25.5%)減少すると予測されています。さらに、高齢化と都市部への人口集中が進行しており、地方の労働人口が減少する地域も増えると考えられています。特に地方企業にとっては、人材確保が難しい傾向にあります。

特定の技能を持つ人材の不足

企業が求めるスキルや経験と、求職者が持つスキルや希望条件とのミスマッチが課題となっています。特に専門職、技術職などの特定のスキルを持つ人材を確保するのが難しくなっており、企業の採用活動が困難を極めています。

大企業との競争

地方企業や中小企業は、都市部の大手企業と競争しなければならず、その負担は年々大きくなっています。大手企業による賃金の引き上げや福利厚生の充実、労働環境の改善により、求職者がそちらを選ぶ傾向が強まり、地方企業や中小企業が選ばれるのが難しくなっています。

企業の知名度が低い

中小企業はインターネット上での検索頻度も低く、知名度が不足しています。求職者が企業を知る機会が少ないため、応募に至ることが難しい状況です。

これらの背景を踏まえると、今後も採用の難易度が高まることが予想されます。企業はこの現状を理解し、採用手法や戦略の改善に取り組むことが必要です。

これまでの採用活動とその限界

かつては、求人広告を掲載すれば多くの応募が集まる時代もありました。
今でも、人気企業や職種ではその傾向が続いているかもしれませんが、営業職や専門職など、応募者が集まらない状況が増えてきています。

現在では、ナビサイトやWEB広告、地域情報誌など、様々な採用手法が利用されています。これらの手法を試すこと自体は悪くありませんが、以下のような理由で選ばれている場合、十分な効果は得るのは難しいかもしれません。

・「前任の担当者から引き継がれた採用手法だから」

・「広告に積極的なA社が利用しているから」

・「長年担当してくれている広告会社の営業が奨めたから」

・「知り合いの会社で成功事例を聞いたから」

・「掲載社数が多い=良い広告だと思ったから」

企業や業界、職種、地域などによって効果的な採用手法は異なります、他社のモデルをそのまま移植しても、必ず自社で成功するとは限りません。また、投資対効果の観点から見ても、採用人数や企業のニーズに応じて手法を選び、最適な組み合わせを考えることが重要です。

「なんとなく」といった曖昧な判断で採用活動を行うと、結果として採用が長引き、費用がかさむリスクが高まります。また、無料で掲載できる情報だけでは、十分な応募者を集められないケースが増えているため、戦略的な取り組みがますます求められます。

採用力を数値化する必要性

このような背景と限界を踏まえ、企業は採用力の数値化をしていくことが求められます。求人広告やリファラル採用、採用エージェントの利用などの異なる採用手法を数値化し、比較することで、採用活動の効果を具体的に把握できます。

どの手法が最も効果的かを評価し、改善点を見つけることで、次回の採用戦略を見直すことが可能になります。

次に採用力を数値化する具体的な方法と、その活用法について詳しく解説します。

採用活動の効果検証を実施する

採用活動の効果を把握し、最適化するためには、採用プロセス全体を分解し、数値化することが最初のステップとしておすすめです。

1.母集団形成(認知)

2.母集団形成(社名)

3.中間ステップ 

4.トライアル 

5.本エントリー

6.採用

今回は、広告の費用対効果を明確にすることが目的なので、自社の採用担当者の人件費は含まずに、採用広告費を基に検証します。それでは、いくつかのステップで見ていきましょう。

母集団形成の単価

例えば、500,000円の広告費で2000人に求人広告を見てもらえた場合、

母集団形成の単価は以下のように計算します。

母集団形成単価=500,000円÷2,000人=1人あたり単価250円

この単価を広告別に数値化し、比較します。

トライアルの単価

新卒採用で言えばインターンシップ、中途採用での会社見学などがトライアルにあたります。例えば500,000円の広告費で5人が参加してくれた場合、トライアルの単価は以下のように計算します。

トライアル単価=500,000円÷5人=1人あたり単価100,000円

また、母集団形成からトライアルにつながった場合の転換率は以下の通りです。

転換率=5人の会社見学÷2,000人の母集団形成×100=0.25%

採用単価

500,000円の広告費で2人が採用できた場合、採用単価は以下のように計算します。

採用単価=500,000円÷2人=1人あたり単価250,000円

会社見学から採用につながった場合の転換率は以下の通りです。

転換率=2人の採用÷5人の会社見学×100=40%

数値を改善に活用する

母集団の形成数が少ない場合は、より安価に集められる広告の選定が重要です。転換率が低い場合は、WEBページの見直しやプログラムの見直しが有効です。このように数値化することで、どこに課題があるのか仮説が立てやすくなります。

採用活動を一気に変えることは難しいかもしれませんが、改善結果を地道に観察し、“一歩一歩より良く成長させること“が大切です。

求人メディアの選定

採用サイトをリニューアルするだけは、応募が増えることが難しい場合があります。

特に中小企業では、社名で検索してもらうことが難しいからです。その場合は、広告を活用してサイトに訪問してくれる求職者を増やす取り組みが必要です。

また、SNSが流行っているからといって、すべての求人に適しているわけではありません。例えば、アパレル関係や外食産業のアルバイト求人ではSNSが効果的かもしれませんが、専門職の求人にSNSが最適かどうかは慎重な検討が必要です。自社が採用したい人物像を明確にし、それに合ったメディアを選定することが重要です。

WEB広告は以下のような広告があります。以下は一例です。

・インディード
・google広告
・yahoo広告
・DSP広告
・SNS広告(フェイスブック、インスタグラム…etc)
・LINE広告
・ナビサイト

数値化することで、これらの広告を効率よく活用し、最適化することができます。

まとめ

昨今の採用活動では「昨年と全く異なる」「母集団が減った」と感じることが珍しくありません。採用活動のゴールは「採用すること」ですが、採用ができたかどうかの結果だけに注目するのではなく、採用の各ステップに改善点がないか数値的根拠をもとに確認することが重要です。
数値を基準に採用計画を立て、継続的に改善していくことで、理想に近づけていくことが期待できます。

日宣パートナーズではクライアント視点で、多種多様な広告を取り扱っています。
「現状が最適なのか分からない」「新しい採用手法を取り入れたい」「数値化はできたが、改善案の組み立て方を相談したい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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