受注につながる情報発信とは?発注候補先に選ばれるBtoBサイト設計術

こんにちは。茨城県を中心に採用マーケティングをサポートしている日宣パートナーズです。
私たちがBtoB企業のWeb担当者からよく聞く悩みの1つに「アクセスはあるのに、商談につながらない」 「新規問い合わせは来るが、受注まで進まない」という内容があります。

この課題に共通するのは、ユーザーが”選ぶ基準”として必要な情報がサイト上で不足していること。特にBtoBにおいては、「比較検討フェーズ」のユーザーが多く、発注候補に加えるための裏付けや判断材料を求めています。

では、どのような情報が、ユーザーの意思決定を後押しするのでしょうか?この記事では、商談・発注につなげるために効果的な「信頼性を高めるコンテンツ設計」について、具体例を交えて解説します。

目次

なぜ“比較検討”で脱落してしまうのか?

BtoBサイトを訪れるユーザーの多くは、すでにある程度ニーズが明確です。彼らは複数の企業を比較しながら、「どの会社に任せるべきか」を探しています。

このとき、必要なのは「自社を安心して選べる理由」を明示すること。
技術力、実績、対応力、品質管理体制……そうした企業の強みが、ユーザーの検討基準に合致していれば、比較の中で優位に立つことができます。

ところが、これらの情報がサイト上にきちんと整理・表示されていないと、せっかくの候補から外れてしまうのです。

発注候補先として選ばれるための4つのコンテンツ施策

ここからは発注候補先として選ばれるための重要コンテンツを具体的に4つご紹介します。

施設紹介・設備紹介ページ

BtoBの発注担当者は、提案内容だけで判断するのではなく、その企業が「生産能力」を重視します。そのため、自社の設備・施設を具体的に見せることで、実行力・対応力の裏付けを伝えることができます。
ここでは、「どんな環境や体制で生産・開発をしているか」が伝わるような情報をまとめましょう。

掲載のポイント|「対応力の証明」で実力を裏付ける

1.生産拠点や研究施設の外観・内部写真を公開する
 設備の清潔感・スケール感・整然さが視覚的に伝わります。

2.対応可能な製品サイズ・ロット・素材、技術の特徴などを伝える
 発注担当者が「うちの製品もお願いできそうか」と、規模やキャパシティを具体的に想像できる  ようになります。


3.主要設備の機能・性能、スペック
図面やカタログでは伝わらない、現場の“実働のリアル”を補います。

品質管理・安全への取り組み紹介

品質や安全への取り組みは、外から見えにくいがゆえに、サイト上で言語化することが必要です。ここでは、「信頼」を可視化し、「御社に任せて大丈夫」と思ってもらうための仕組みや体制を表現していきます。

たとえば、以下のような内容を専用ページにまとめると、発注側は安心して比較検討できます。

掲載ポイント|見えない信頼を言語化する

1.品質・環境・労働安全衛生に関する認証取得履歴を記載する
第三者による認証は、信頼性の裏付けとなります。

たとえば、
・ISO9001
・ISO14001 など

2.品質保証の体制
「どうやって不良を防止するか」があると安心感が増します。

たとえば、
 ・検査
 ・チェック項目
 ・タイミングと頻度
 ・使用機器
   
などの情報公開をします。図版などで表現すると組織としての活動が伝わりやすくなります。

3.トレーサビリティ、リスク対応、災害時のマニュアル・連絡フロー
万が一のリスクに対しても「備えている企業だ」と印象づけることができます。原材料の調達から廃棄までの一連の管理機能は安心につながります。また、BCPへの取り組みもされているのであれば、新たな生産エリアの検討にもつながり、発注先としての新規参入も期待できます。

社員・担当者の顔が見える情報

BtoBにおける発注の決定要因として、企業としての体制や実績と同じくらい、「どんな人たちが担当するのか」が上位に挙げられます。
どれだけ優れた設備や体制があっても、最終的に仕事を任せるのは“人”だからです。そこに不安があれば、選定から外れてしまうこともあります。

だからこそ、「現場でどんな人が働いているのか」「どのような経験や専門性があるのか」を発信することで、相手との距離を縮め、信頼を得るきっかけになります。

写真やインタビューなど、「顔の見える情報」を通じて、会社全体への信頼を補強しましょう。

掲載ポイント|人への信頼が決め手の1つになる

1.営業・技術・品質など、実際に顧客対応をする担当者の紹介する
職名だけでなく、担当の業務内容や対応範囲がわかるとより親切です。

2.担当者の得意領域・資格・キャリアパスなどの専門性を紹介する
発注者が安心して相談できる根拠になります。

たとえば、
・医療業者向けの提案経験が豊富
・各種溶接技術の資格保有
・エネルギー産業 原子力関連の専門資格保有
・建築士、施工管理技士の資格保有
・CAD設計の資格保有
・海外勤務や取引経験、言語スキル   など

3.現場での仕事への取り組み、プロとしての想いやエピソード
 インタビュー形式や日常の写真など、人柄が伝わる要素が共感を生みます。形式的なものではなく、「この人と一緒に仕事をしてみたい」と思ってもらえる人間味も魅力発信の工夫として有効です。

事例・導入実績の紹介

受注を左右する最大の安心材料は、「実績」です。
特に比較検討のフェーズでは、「似たような業種・規模の企業も使っている」とわかると、一気に心理的ハードルが下がります。皆さまも何かを導入する際に、同じようなご経験があるのではないでしょうか。

実績紹介のポイントは「ただ羅列する」のではなく、ユーザー自身を重ねられる構成にすることが大切です。
課題から提案、解決までをストーリーで展開すれば、「この会社に相談したら、当社も何とかなるかも」と感じてもらえます。

掲載ポイント|他社も選んだという証拠を提示する

1.業種・課題別に分類した導入事例(製造業、建設業、エネルギー産業など)
 訪問者が「自分と関係ありそう」と思える導線をつくると効果的です。業種別絞り込み・カテゴリ検索などの機能的導線を設けるのもおすすめです

2.課題 → 解決提案 → 結果 のストーリーを構成する
 シンプルでもいいので、流れを持たせると読みやすく、理解されやすくなります。

3.お客様の声や第三者コメント、インタビュー形式の事例
「この声はリアルだ」と思わせる内容は、信頼感を一気に高めます。

まとめ|“検討フェーズ”で選ばれるBtoBサイトへ

ユーザーは「情報を見た」だけでは動きません。
受注につながるには、「ここなら信頼できる」「この会社に頼んでみよう」と思わせる判断材料の提示が必要です。Webサイトは「会社案内パンフレット」の代替ではなく、「検討を進めてもらうための営業ツール」として設計すべきです。

以下のように、それぞれ異なる切り口で「安心して任せられる理由」を設計することで、候補選定の第一関門を突破しやすくなります。

  • 施設紹介で「実行力」を伝える
  • 品質・安全への取り組みで「見えない安心」を補強する
  • 社員・担当者の情報で「信頼の決め手」を与える
  • 事例紹介で「納得の理由」を提供する

これらの要素をバランスよく組み込むことで、単なる企業紹介ではなく、営業活動の入口として機能するWebサイトに変えていくことができます。

監修者

小池 正也(こいけ まさや)


Yahoo! JAPANの広告代理店にてWEB広告の運用に携わる。2009年、茨城県での事業立ち上げを機にUターンし、地域に根ざしたWEBマーケティング支援をスタート。これまで300以上の企業や店舗のWEB広告に携わる中で、広告を出すだけでは成果につながらないという課題を実感。
現在はWEBマーケティング全般に携わり、企業の魅力を引き出すWEBサイト制作や、Google広告・Yahoo広告・DSP広告・SNS広告などの運用、Googleアナリティクスを活用したアクセス解析を行う。現場での経験を活かした改善提案を行っている。

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